随分昔の話になるけど、剣岳の近くに八ツ峰という尾根があって登ったことがあった。
これは二人で行ったのだけれど、北鎌尾根よりは岩登りという点で難しい。
まず長次郎雪渓を少し登り、岩小屋があるところから1-2峰間ルンゼを登ることになるのだが、雪渓が多かったのかわからないが、その岩小屋らしきものが見当たらない。
尾根を見上げて1-2峰間ではないかと思われるところから登りはじめる。
登るにつれてルンゼから離れスラブ状の右壁を登っていく。
傾斜はそれほどでもないが、高度感もあり足を滑らせたら止まれない傾斜だ。
それに岩は濡れていて滑りやすい。
それでもⅠ峰の壁に沿うように左上していきコルらしきに所に出た。
さすがに八ツ峰だけあって稜線上は北鎌尾根と比較するとかなりやせ尾根となっている。
気を付けないと転落するほど痩せた尾根だ。
コルからいちおうⅠ峰まで往き、また戻ってⅡ峰に行く。
細かいことは忘れてしまったな。
Ⅴ峰ではピナクル状の岩があって、少し下ったところから懸垂下降した。
ここは40mロープ1回の懸垂では足りなかった。
懸垂下降は何度も練習しないと手際が悪いので、行く前には練習しておいたほうがいい。
Ⅴ峰を下るといちおう八ツ峰前半部は終わった感じになる。なぜならば長次郎雪渓から直ぐのところまで下りて来てしまうからである。
そこからⅥ峰は始まるが、ピークに立つまでの30mくらいの急な斜面が核心となる。
ここはザイルを付けていなければⅢ級程度の登りであり高度感もありかなり恐い。
登り切ればハイマツ帯になり一安心出来る。
Ⅶ峰、八峰は確か雪渓をトラバースするところがあったなぁ。
運動靴だと難しいよ。
その前に懸垂が1箇所あった。
八峰でも短いが懸垂が一箇所あった。
あの場所は懸垂しなくても下りられそうだったが、懸垂したほうがいい。