鳩ノ巣渓谷の裏側にあり、かなり山深く感じるところだ。
この岩場は見た目がものすごく陰険で下に行くと登る気が一気に失せる。
傾斜はかなり急で高さも80m近くあったと思う。
いくつかあるルートの中でも自分が嫌いなのは通称「滑り台」と呼ばれる右ルート最上部のスラヴ。
この岩場の岩質はチャートで滑り台の核心部と言われるスタンスはじっとしているとズルズルと滑ってくる。
全く心許無いスタンスなのだ。
そのスタンスにはハーケンが打ってあり古いスリングが掛かっていたのだが、全く信用出来ない。かといって、そのスリングを引き抜くこともどうしてか出来ない。
そんなところでじっとしていると尚更足が滑り始める。
だんだん焦ってきて、仕方ないのでその古いスリングにヌンチャクを掛けて上に登っていく。
悪いのは2歩くらいだと思うのだが、滑りそうなそのチャートのスタンスは生きた心地がしない。
チャートという岩質は本当に岩というものを楽しむには不適切なものだと思う。
そんな右ルートにある隠れルートを一度登ったことがある。
登ったというか登らされたというか。。。
通常、右ルートは下部やさしいルートを登り、テラスでピッチを切る。
そして通常は直上して行くところを右側に行くと傾斜の急なフェースとなっている。
ここをセカンドで登らされたのだ。
全く登れない。
なんだろう?全くガバホールドがなく、バランスだけで登って行くようなルート。
最悪である。
セカンドなのに全く歯が立たない。
完敗である。
トップを登ったのは女性だったが、自分の岩登りの下手さ加減にあきれ果てましたよ。
あれからもう20年以上経ってしまったが、今はいったいどうなってるんだろう?