北アルプスで滑落による山岳遭難が相次ぎ、2人が亡くなりました。五竜岳では60代男性、鹿島槍ヶ岳では40代女性がヘリコプターでそれぞれ救助されましたが、その後、死亡が確認されました。いずれも急峻な岩稜帯で滑落したとみられています。
10日午前10時前、北アルプス五竜岳の東にある「遠見尾根」で東京都練馬区の男性会社員(61)が滑落しました。
男性は9日に3人パーティーで入山し五竜岳の山小屋に宿泊した後、白馬村方面に下山中だったということで、標高2330メートル付近の登山道から100メートル近く滑落したと見られています。
地上から向かった長野県警の山岳遭難救助隊員が現場で意識不明の状態の男性を確認しましたが、天候不良のためヘリは飛べませんでした。
12日、長野県消防防災ヘリが出動し、午後4時半過ぎに救助しましたが、死亡が確認されました。
現場周辺は、急斜面の岩稜帯だということです。
また、11日、北アルプス鹿島槍ヶ岳の吊尾根付近(標高約2800メートル)で神奈川県横浜市の女性会社員(47)が滑落しました。
11日午後1時過ぎ、女性の同行者から消防に「山頂付近を南峰から北峰へ縦走中に足を滑らせて、100メートルほど滑落した」と救助要請がありました。
11日は天候不良でヘリが飛べず、回復を待ち、12日朝、長野県消防防災ヘリが出動して発見しましたが、女性は意識不明の状態でした。その後、松本市内の病院に搬送され、死亡が確認されました。
女性は10日、2人パーティーで扇沢から入山し爺ヶ岳に登り、付近の山小屋に宿泊して、11日は鹿島槍ヶ岳の山頂付近を縦走中に滑落しました。
こちらも、現場周辺は急峻な岩稜帯だということです。