富士山 吉田ルートで“登山規制”へ…基準二転三転で混乱も 軽装・弾丸の登山者も…
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山梨県は11日から、富士山の登山道が混雑した場合、登山客の通行を一時的に規制することを発表した。しかし、具体的な基準は決まっておらず、登山客の混乱も心配されている。 ■“軽装”“弾丸”の登山者も… 今年、4年ぶりに行動制限のない登山シーズンを迎えた富士山。山梨県によると、先月1日の山開き後の登山者は、今月8日時点で、およそ8万3000人。コロナ禍前の2019年並みとなっている。 午前4時ごろ、山頂付近は、ご来光目当ての登山者で大混雑していた。中には、こんな登山者の姿もあった。 中国から来た観光客：「（Q.どこまで登るんですか？）一番上」「（Q.服装が…サンダルとか）大丈夫」 リュックや防寒具なども持たずに、サンダルで頂上を目指そうという登山者も。この「軽装登山」は事故を引き起こす可能性が高い。 さらに、山小屋に宿泊せず、夜に登山を開始し山頂のご来光を目指す「弾丸登山」をする人もいた。 「弾丸登山」の大学生：「山小屋の予約が取れなくて」「ぶっちゃけ弾丸です。頂上で（日の出を）見たいなと」 この「弾丸登山」は、高山病や低体温症で体調を崩しやすいため、救護所に運ばれる割合は、1泊した場合の14倍だという。 ■規制導入の期間は…来月10日まで そうしたなか、山梨県は11日の「山の日」から、もっとも登山者が多い山梨側の「吉田ルート」で規制導入を行うと発表した。 規制について登山者は、次のように話す。 和歌山県から来た登山者（24）：「明確なラインとかが（行政で）決まって、事前に周知できるのであれば、それはそれで安全が保たれていいと思う」 和歌山県から来た登山者（25）：「ぼくら和歌山から来ているので。来て、無理というのは腹立ちますよね」 神奈川県から来た登山者（29）：「最終的に5合目辺りで規制するのかと思っていたので、上で天候が悪くなって足止めとかされるのは望ましくない」 この規制は、登山道が混雑し危険と判断した場合、県が県警に要請。これを受けて警察官が5合目から山頂までの“どこかで”登山者を一時的に止め、安全が確保された段階で規制を解き、登山を再開させるというものだ。 しかし、詳細についてはほとんど決まっておらず、会見では記者からの質問が相次いだ。 世界遺産富士山課 笠井利昭課長「（Q.実際に混雑していますとなってから規制をするまでに、どれくらいの時間を想定？）その点は…あの…機動的な対応ができるような形で…あの…」「（Q.道が混んでいるから規制すると思うんですけど、混んでいるところに行く機動的な方法とは？）その点につきましては、その時の状況に応じて対応するような形になります…」 登山者の安全を守るという目的で、実施される登山の規制。登山客のピークとなる11日からの3連休。規制導入の期間は来月10日までとなっている。 ■規制を巡り…二転三転 基準が明確になっていない山梨県が発表した登山道の規制について見ていく。 富士山には4つ登山ルートがあるが、今回、登山者の規制を導入するのは、山梨県側の「吉田ルート」と呼ばれる登山ルートだ。 環境省によると、去年の登山者およそ16万人のうち、およそ9万4000人と一番多いルートとなっている。 今回の規制を巡っては、二転三転していた。今月1日に山梨県の長崎幸太郎知事が規制を検討すると発表した。 この時、山梨県は一日あたりの登山者数が4000人を超えた場合は、8合目付近で登山者を一時的に待機させる規制を行うとの目安を示していた。 これに対し、富士吉田市長は9日の会見で、規制については評価する一方で、「山小屋組合は、8合目待機は危険が伴うとしているとし、山小屋なども営業できなくなり大変な大混乱になる」と、安全なスペースがある5合目や6合目で規制するよう基準の見直しを求めていた。 そして9日、山梨県が説明した規制の方法は、富士山にいる安全誘導員などの情報に基づいて県が危険だと判断した場合、県から県警に規制を要請して現場の警察官が、登山者の通行を一時的に止めるということだった。 そして安全が確保された段階で規制を解き、登山を再開させるという。 ただ、現場の警察官が通行を止める場所まで迅速に行けるのか、どう行くのかなどについては「機動的に」としか説明されなかった。 また、準備期間もあったのかどうか疑問だ。 長崎知事が規制を検討すると発表したのが今月1日、実際に規制が始まるのが11日からなので、10日ほどしかない。 （「大下容子ワイド！スクランブル」2023年8月11日放送分より）
