学校法人加計(かけ)学園による獣医学部新設計画をめぐり、23日に記者会見した文部科学省事務次官前川喜平氏(62)は国家戦略特区での新設を認めた決定過程を改めて批判する一方、「国家権力とメディアとの関係には不安を覚える」とも話し、新たにメディア批判も展開した。
 前川氏は出会い系バーへの出入りを報じた5月22日付読売新聞の記事について「私への個人攻撃。官邸の関与があったのだと思っている」と断じた上で、「背後には何があったのか、メディア関係者の中で検証されるべきだ」と主張した。
 記事掲載の前日に文科省幹部から「(和泉洋人首相補佐官から)『話をしたい』と言ってきたら応じるつもりがあるか」と打診を受けたことにも言及し、「想像だが、『嫌な報道をされたくなければ抑えてやる』と言われるのではないかと思った」と話した。
 NHKに対しても、「私に最初にインタビューしたが、いまだに放送されていない」などと不満をにじませた。
 「総理のご意向」文書を流出させたのは前川氏ではないかとの質問には、「流出元にはコメントしない」と述べるにとどめた。