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「大韓民国は生まれてはいけない国だった」文在寅大統領の“頭の中身”

週刊文春」編集部
2019/08/30 05:30
 この夏、韓国の「反日」が止まらない。
 これまでの徴用工、慰安婦などの歴史問題を飛び越えて、日本製品不買運動など経済分野、さらには、GSOMIA破棄という安全保障分野にまで対日強硬策が拡大している。連日のように“暴挙”ともいうべき政策を繰り出す文在寅大統領、そして彼を支持する韓国社会は、いったい何を思っているのか――。
 そんな「反日」に埋め尽くされた韓国で一人気を吐くのが、落星台経済研究所の李宇衍(イ・ウヨン)研究委員だ。

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© 文春オンライン 李宇衍(イ・ウヨン)研究委員

韓国“良識派”がクリアに分析


 李氏は歴史学者で、いわゆる「徴用工」ら戦時中の朝鮮半島出身の労働者の労働状況などを研究。今年7月にはジュネーブの国連欧州本部で開かれたシンポジウムで、「賃金に民族差別はなかった」と発表したことでも話題となった。


 この夏には共著で、韓国社会の反日主義を強く批判した反日種族主義』(共著)を刊行し、韓国国内で異例のベストセラーとなっている。

 韓国の“良識派”は、韓国という国をどのように見つめているのだろうか――。「週刊文春デジタル」では、李氏に単独インタビューを行った。

 李氏はインタビューの中で、現在の文在寅政権について、「過去もっとも反日的な政権である上に、自分の政治的利益のために反日的な情緒や認識を利用しようとしている」と指摘。文大統領や周辺の歴史観を次のように説明した。

日本人が疑問に抱かずにはいられない「52の質問」

「もっとも重要な特徴が『大韓民国は生まれてはいけない国だった』と考えていることです。つまり、本来は社会主義の人と手を握って、『統一祖国』を建国しなければいけなかったのに、親日派と手を握ってしまったがために、南と北に国が分かれてしまったという考えです。ですから、その分断の責任がある『親日派』は清算しなくてはいけないという訳です」

 そのほか、文在寅大統領の“頭の中身”、北朝鮮にミサイルを撃たれ続ける韓国人の気持ち、朝日新聞などメディアの影響、ベストセラーで訴えた「反日種族主義」とは何か……など、日本人が疑問に抱かずにはいられない「52の質問」について、わかりやすく答えてくれた。約1万4000字にわたる全回答は「 週刊文春デジタル 」で公開している。

 以下に、主な回答を紹介したい。

こじれた理由は、過去もっとも反日的な政権だから

【Q】日韓関係が緊迫しています。2018年10月に大法院(韓国の最高裁判所)が元徴用工に対しての賠償を命じる判決を下したことなどが契機となり、日本は韓国を「ホワイト国」リストから除外するなど輸出管理規制の強化を打ち出し、それに対抗して韓国が軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を破棄する事態にまで発展しました。これまでも日韓関係が悪化することがありましたが、今回はなぜここまでこじれたのでしょうか。

【A】今回の事態は、これまでと違うと思います。文在寅政権が過去もっとも反日的な政権である上に、自分の政治的利益のために反日的な情緒や認識を利用しようとしている政権です。一方の日本では、安倍政権が「韓国の勝手な言動はこれ以上許さない」という強い立場をとっている。この両極端に位置する政権同士が向かい合っているので、ここまでこじれたのだと思います。

「統一祖国」建国のために「親日派」は清算する

【Q】文大統領は、なぜ日本に対して厳しい態度を取り続けるのか。どういう人物だと考えていますか。

【A】彼はまさに「左派の歴史観」を持った人物だと考えています。左派の歴史観において、もっとも重要な特徴が「大韓民国は生まれてはいけない国だった」と考えていることです。
 つまり、本来は社会主義の人と手を握って、「統一祖国」を建国しなければいけなかったのに、親日派と手を握ってしまったがために、南と北に国が分かれてしまったという考えです。ですから、その分断の責任がある「親日派」は清算しなくてはいけないという訳です。

文大統領は“永遠の学生運動家”

【Q】文大統領の周辺には「革命家」「左派」が多いというのは本当ですか。

【A】本当です。文政権には、「転向していない革命家」や「左派」が、たくさんいることは常識だと思います。
 私は、86学番(1986年に大学入学。反米・親北学生運動が激しかった世代)の学生ですが、同世代でも国会議員や、青瓦台(韓国大統領府)に近い仕事をしている人がたくさんいます。中でも、文政権の周辺にいるのは、「(学生時代に北朝鮮主体思想などを信奉して、資本主義に)まだ転向していない学生運動家」ですね。

日本は「絶対悪」、韓国は「絶対善」

【Q】李先生らが書いた『反日種族主義』が韓国でベストセラーになっています。現在の韓国社会を支配している「反日」主義を、李先生は「反日種族主義」と定義していますが、どういったものですか。

【A】私は、以前まで韓国社会を覆う「反日」主義を「反日民族主義」と呼んでいました。しかし、今では近代的な性格を持つ「民族主義」ではなく、前近代的な「種族主義」だと位置づけました。
 前近代的というのには、3つの理由があります。
 1つ目は「観念的な性格」です。いまの韓国社会は、客観的な現実に基づかず、思い込みのレベルで「日本は絶対悪」という一つの総体を作っています。つまり、日本政府や個人、または日本社会が倫理的もしくは政治的に悪い点があるという具体的な話ではなく、観念的に「ただ一つの絶対悪」として日本が存在している。一方で韓国は「絶対善」です。絶対善の韓国は、絶対悪の日本に何をしても良くて、いつまでもその問題を提起して良いと思っているのです。
 2つ目の理由は「非科学的な性格」。いまの韓国社会が客観的な事実でないことを主張し、受け入れていることです。例えば、韓国の慰安婦問題の支援者らが言うような、20万人の少女を連行して慰安婦としたというような一連の主張です。合理的、理性的な思考ができず、極めて感情的になっています。
 3つ目は「歪んで偏った現実認識」です。韓国社会は、日本については“下”と考える一方、中国や米国に対しては迎合する。その極めて事大主義的な態度によって、国としてバランス感覚を喪失している点です。
 これら前近代的な考え方のもとに、実体のない「悪魔としての日本」がイメージとして膨れ上がっている。そのイメージが、反日政策を進める原動力になっています。

「同じ民族はミサイルを撃ってこないという根拠のない自信を持っています」

【Q】北朝鮮にミサイルを撃たれ続けている韓国人の気持ちはどういうものですか。
【A】「反日種族主義」の中にある韓国社会は、同じ民族である北朝鮮は我々をミサイルや核で攻撃しないだろうという、根拠のない自信を持っています。ですから、近年、北朝鮮がどんなにミサイルを撃っていても、国民の関心は反日活動に向けられます。ですから、北朝鮮がミサイルを東海(日本海)に10発撃つよりも、芸能人がアサヒビールを買って飲んでいる姿が新聞に出る方が、より大きな社会的反発を起こすでしょう。

約束を破っても「罪悪感は持ちません」

【Q】韓国国民には、1965年の請求権協定という「約束」を守らないことに対する罪悪感や、「何かおかしい」という疑問の気持ちは出てこないのでしょうか。
【A】そんな疑問や罪悪感は持ちません。なぜならば繰り返しになりますが、「反日種族主義」の中では、日本に対しては何をしてもいいのです。「日本には、じゃんけんも勝たなければならない」とまで言います(笑)。日本との条約という約束を覆すことに罪悪感は当然なく、疑問を持つこともないのです。

朝日新聞は韓国に「多分に温情主義的」

【Q】慰安婦、徴用工などの歴史認識問題は、これまでの日本のマスメディアの報じ方に問題があるという指摘もあります。
【A】いわゆる“良識的”知識人らの問題と全く同じだと思います。朝日新聞をはじめ日本のメディアは、韓国に多分に温情主義的です。「そんなこと必要ない」と申し上げたいです。
週刊文春デジタル 」で公開している約1万4000字にわたる全回答には、日本人にはなかなか理解しにくい、“文在寅の韓国”を理解するためのヒントが詰まっている。
(「週刊文春」編集部/週刊文春