岐阜県高山市奥飛騨温泉郷神坂の北アルプスのジャンダルム(3163メートル)で15日に滑落し、自力で動けなくなった奈良県大和郡山市の団体職員の男性(56)が19日、岐阜県警ヘリで4日ぶりに救助された。男性は左足などを骨折した疑いがあり、重傷とみられる。滑落直後に男性からの119番で駆け付けた県警山岳警備隊員が交代で現場に5日間ビバークし、天候の回復を待って救助した。 県警によると、男性は13日に長野県の上高地から単独で入山。15日午前8時40分ごろ、穂高岳山荘から上高地へ戻る途中にジャンダルムから北東約150メートルの稜線上で足を踏み外して約30メートル滑落した。男性は左足や胸を骨折した疑いがあるほか、左膝に裂傷を負った。 現場は急峻(きゅうしゅん)な岩場で、夜間の気温は10度、最大風速は約15メートル。隊員らは簡易な雨よけを使いながら男性のそばに付きっ切りで待機し、19日午前6時45分ごろにヘリで救助した。
岐阜新聞社