主人公の36歳・多崎つくるが大学時代に友人だった「灰田」の父親は、1960年代末に放浪生活を送り、冬に温泉で下働きをする。「電波の状態が悪くてテレビも見られない」「新聞は一日遅れ」「最寄りのバス停は山道を三キロ下ったところ」という世間から隔絶された場所だ。
その温泉はどこか。「おんせん県」旗振り役の県観光・地域振興課の渡辺修武主幹に聞いた。「真っ先に法華院温泉が思い浮かびますね」。くじゅう連山に囲まれた高原・坊がつるに近い標高約1300メートルにある温泉だ。車で行くことはできず、長者原登山口から歩いて2時間ほどの場所にあり、登山客らが立ち寄る。「今も山荘があって間違いなく山中です。ただ、冬に腰を落ち着ける場所ではないかもしれません」
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温泉の描写には「旅館の前には美しい谷川が流れ」とある。NPO別府温泉地球博物館事業研究会理事で「大分の極上名湯」などの著書のある斉藤雅樹さん(46)に助けを求めた。「この谷川をヒントにしてみましょう」」
この前、遭難しそうになったとき泊まらざるを得なかった。
夜遅くなり道が判然としなくなったこと、帰ろうとした道が見当たらなくなってしまったこと。
仕方ないのでこの温泉に泊まってしまった。
客は自分ひとりだけだったが、寒い中歩き続けていたため温泉は最高だった。
まさに生き返った気がした。
これは体験した者だけしか味わえないと思う。
余計な出費となってしまったがここに一泊できて本当に良かったと思う。
シーズンオフに又行ってみたい。