【独自】頭部に命中した3発でようやく…最凶ヒグマ「OSO18」が絶命した“最期の瞬間”と、駆逐したハンターの「意外な正体」
釧路では目撃証言すらなかったのに
北海道の標茶町、厚岸町で牛66頭を襲ってきた最凶ヒグマ「OSO18」が、ついに駆除されたことがわかった。 【貴重写真】これが最凶ヒグマ「OSO18」の最期…! OSO18が捕獲されたのは、7月30日午前5時ごろ。場所は釧路町仙鳳趾村オタクパウシの牧草地だ。 現地では、2日前の7月28日からヒグマ一頭が頻繁に出没。人を見ても逃げないことから釧路町は「有害性あり」と判断し、釧路町のハンターがヒグマを捕獲した。 釧路町では捕獲した当初、OSO18とは考えていなかった。 しかし後日、OSO18の可能性があると思い至り、DNA鑑定実施の経験がある標茶町を通じて、札幌市の道立総合研究機構に体毛のDNA鑑定を依頼。同機構の分析の結果、このヒグマの体毛が、OSO18のDNAと一致した。 OSO18は標茶町などで2019年から牛66頭を次々と襲い、その肉を食うなどしてきたが、釧路町では被害どころか目撃情報もなかった。 釧路町役場の関係者が説明する。
OSO18は「逃げなかった」
「捕獲現場の近くには民家もあり、危険が及ぶ前に駆除を決めました。ただし、駆除したらOSO18だった、というのが実状です。釧路町にOSO18がいるなんて、まさか想像していませんでした。釧路町の酪農家は3軒だけですからね。 駆除現場にいたハンターは一人です。彼もまた、駆除したヒグマがOSO18だという認識はありませんでした。 OSO18は警戒心が強いと評判で、『忍者グマ』という異名もありました。ところが、現場にいたヒグマは人を見ても逃げませんでした。これまで伝えられてきた特徴とは異なるため、OSO18だと思わなかったようです。 ただ、捕獲したヒグマが大きかったため『もしかしたら』と思ってDNA検査に出したところ、OSO18だと確認されたのです」 OSO18捕獲の報を受け、標茶町などの酪農家は安堵している。 「標茶町は酪農の街です。我々農家にとって電気柵などOSO18対策に関する費用は大きな負担になっていました。また安心して牛を放牧することもできませんでした。しかし、心配の種がなくなったことで経費的にも気持ち的にも楽になりました」 気になるのは最凶ヒグマを捕獲したハンターの素性だ。
「腕がいい」と評判の鉄砲撃ち
北海道庁から「OSO18特別対策班」に任命されたNPO南知床ヒグマ情報センターのハンターらは調査を重ね、地元のベテランハンターも懸命に捜索を続けてきた。 しかし、OSO18を仕留めたのは意外な人物だった。 「釧路町役場の40代の男性職員で、ヒグマを含む有害鳥獣駆除対応を担当する部署に所属しています。役場に勤務する一方、鉄砲撃ちとしての顔も持っています。役人ハンターは珍しいと思います」(猟友会関係者) このハンターは、たった一人で酪農家を苦しめてきたOSO18を仕留めた。その実力とはどれほどなのか。 「まだ鉄砲を持つようになって4~5年ですが、『腕がいい若手ハンター』と評判です。狩猟免許を取得した初めての年、彼は80頭以上のシカを駆除しました。これは新人としては異例の数字です」(前出・猟友会関係者) もっともヒグマを捕獲したのは初めてという。猟友会関係者は続ける。
OSO18“最期の瞬間”
「頭部への3発目でようやく息が切れたとのことで、“最期の瞬間”はさすがに恐怖で震えたそうです。 大仕事をやってのけた一方で、クマ撃ちの経験不足もみせています。大物を捕獲した場合、記念に剥製にすることがよくあります。これだけ世間を騒がせたOSO18となれば大々的に剥製にされて展示されてもおかしくない。 しかし、彼はあまりの大きさにどうしていいかわからず、その日のうちに業者に持ち込んで解体し、一部を残して処分してしまった。残念ながらいまは牙くらいしか残っていないそうです」 一方で、OSO18を追ってきた標茶町のハンターの一人は、「複雑な思い」をこう吐露する。
「自分が捕獲したかった」
「『OSO18が現れた』という連絡はいつ来るかわからないので、ふだんはずっと携帯電話が手放せませんでした。その意味では一安心しています。 ただ、自分が捕獲したかったという思いがあるのもたしかです。標茶町と厚岸町のハンターは長年OSO18を追いかけてきました。それだけに『まさか釧路町にいたとは』と混乱しています…」 歴史に残る大仕事を成し遂げた格好だが、本人は自慢することもなく、「まさかこんなことになるとは」と困惑しているという。 ・・・・・ 今後起こりうる“最悪の事態”とは? 関連記事『最強ヒグマ「OSO18」が大繁殖の「さらなる恐怖」』では、人々を待ち受ける“まさかの危機”について解説します。