NEWSポストセブン / 2018年4月12日 7時0分
徳島文理大学教授の八幡和郎氏
韓国の歴史は嘘で塗り固められている。『韓国と日本がわかる最強の韓国史』を上梓した八幡和郎氏が隣人の「歴史修正」を暴く。
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百済からの帰化人のなかに武寧王(在位501~523年)の子孫で奈良時代の朝廷で下級官吏になっていた和乙継という者がいた。この娘の高野新笠が天智天皇の孫・白壁王の側室となり、山部王を産んだ。後の桓武天皇である。
百済からの帰化人のなかに武寧王(在位501~523年)の子孫で奈良時代の朝廷で下級官吏になっていた和乙継という者がいた。この娘の高野新笠が天智天皇の孫・白壁王の側室となり、山部王を産んだ。後の桓武天皇である。
2002年のサッカーワールドカップ日韓共催にあたり、天皇陛下は『続日本紀』に高野新笠が百済王族の遠縁と記されていることに触れられた。ところが、それをきっかけに一部の韓国人学者は「日王(天皇家)は百済王室の末」などという乱暴な解説をするようになった。曲解であり、陛下の日韓友好のお言葉を悪用するなど言語道断である。
●「日本の統治で搾取された」はウソ
日本による朝鮮半島統治は欧米諸国の植民地支配のように一方的に収奪するものではなかった。
日本統治でもっとも評価されるべきものは教育だ。日韓併合以降、教育機関は急速に整えられ、終戦時には国民学校への就学率が男子76%、女子33%に達した。そして小学校では韓国語で教育が行われたため、ハングルの普及が一気に進んだ。漢字ハングル混じり文も、井上角五郎が立ち上げた「漢城周報」ではじめて本格的に使用した。日本は韓国語を与えたのであって、奪ったと批判されるのはおかしい。たしかに日本統治には負の面もあったが、功罪を冷静に見れば、明らかに功が大きい。搾取とはかけ離れている。
ここでは一部の例しか紹介できないのが残念だが、あらゆる時代に同様の改竄が行われている。
しかし、問題は韓国側だけでなく、日本側にもある。我々自身が歴史認識を整理できていないのだ。たとえば任那が日本領であったことをどの程度、理論武装しているだろうか。中国は高句麗をかつて中国東北部の少数民族が作った国家だとし、継承国家は中国であると理論武装をしきりにやっている。
我々の見解、立ち位置が明確になっていないから、隣人の嘘がまかり通り、時にそれに引きずられるのだ。
【PROFILE】八幡和郎●1951年滋賀県生まれ。東京大学法学部卒業後、通商産業省入省。北西アジア課長(南北朝鮮も担当)、大臣官房情報管理課長、国土庁長官官房参事官などを歴任。現在、徳島文理大学教授。近著に『消えた江戸300藩の謎』がある。
※SAPIO2018年3・4月号