毎日新聞 / 2018年4月12日 10時29分
摘発された来日ベトナム人の犯罪と在留数の推移
2017年に全国の警察が摘発した来日外国人の犯罪1万7006件(前年比20%増)のうち、ベトナム人による事件が5140件と3割を占め、統計を取り始めた1989年以降、国籍別で初めて最多になったことが警察庁のまとめで12日、明らかになった。前年まで最多だった中国を439件上回った。同庁は来日ベトナム人の急増が背景にあるとみている。
同庁によると、ベトナム人による事件の摘発は08~13年は1400~1800件程度で推移していたが、14年2488件▽15年3315件と年々増加。17年は16年の3177件から62%増えた。一方、25年連続で最多だった中国は減少傾向にあり、17年は前年比2%増の4701件だった。中国に次いで多かったのはブラジルで前年比54%増の1058件だった。
佐賀県警は昨年、佐賀、熊本、福岡県の大手量販店で16年10~11月に衣料品(65万円相当)の万引きを繰り返したとして、ベトナム人の男3人を窃盗容疑で逮捕した。男らは、狙う店や商品を本国の仲間から指示されていた。盗品は東京都内のマンションの一室にストックされた後、本国に空輸されていたという。
また、ベトナム人による空き巣の摘発は17年に325件に上り、16年の12件から急増した。数年前は主に関東や関西の都市部が狙われていたが、17年は中国地方や東北地方に広がった。