白山・室堂の宿泊施設休業 職員4人コロナ感染、予約600人はすべてキャンセル
従業員にコロナ感染が確認された「白山室堂」のビジターセンター=7月、白山・室堂
●25日まで休業 石川県は16日、白山・室堂の案内・宿泊施設「白山室堂」(標高2450メートル)の職員11人のうち4人が新型コロナに感染したとして、宿泊施設を16日から25日まで休業すると発表した。約600人の予約はすべてキャンセルした。案内業務は続ける。県などによると、室堂で感染者が確認されたのは初めてで、別の職員2人も発熱した。国立公園指定60周年の節目を迎え美しい自然が楽しめる盛夏の霊峰にも感染症の影響が広がった。 【写真】立山登山にもコロナ直撃…宿泊施設の臨時休業が相次いでいる ●案内業務は継続 感染したのは白山室堂の指定管理者である白山観光協会の従業員で、協会はビジターセンターと宿泊棟4棟を運営する。従業員が16日に発熱したため、11人全員が抗原検査を受けて男性3人と女性1人の感染が確認された。陰性の男性2人も熱などの症状があった。 感染者は登山者の宿泊棟への案内や料理などを担当していた。感染者・発熱者6人のうち5人は下山し、男性1人は体調不良のため隔離部屋に残った。陰性の5人でビジターセンターの案内業務は続ける。県によると、登山者から体調不良の訴えはない。 室堂は白山頂上付近の最大の宿泊施設で、16日に宿泊予定だった約50人のうち11人は白山中腹にある南竜山荘(標高2080メートル)に振り替えた。ほかの登山者は下山したとみられる。室堂で17~25日に入っていた約600人の予約はすべてキャンセルとなった。白山観光協会が予約者に連絡し、南竜山荘へ予約変更したり、登山日程の変更を促したりした。 ビジターセンターの中村真一郎所長(48)は「山小屋は人が集まるため、三密にならざるを得ない面があり、初心に返って感染対策の意識を高める」と話した。