60代女性2人が遭難 9日目に救助 歩けない1人を残し、電波を探し別行動 バッテリー残量は20%
奈良県天川村の弥山(標高1895m)を登山中だった60代の女性2人が遭難し、きのう14日、9日ぶりに救助されていたことがわかりました。 警察によりますと、愛知県名古屋市の61歳の女性と一宮市の69歳の女性は今月4日、1泊2日の行程で天川村の弥山に登山届を出した上で入山しました。 しかし、弥山の山小屋を出発した5日朝を最後に行方不明となり、宿泊予定だった民宿から警察に通報がありました。 警察や地元消防などが数十人態勢で連日捜索にあたりましたが、発見できませんでした。 しかし13日の夕方、事態は大きく動きます。 13日午後6時半頃、遭難していた2人のうち61歳の女性から「山の尾根にいる。空が見える。もう1人とは別行動をしている」と110番通報が入りました。 警察は「空が見える」という話から「ヘリから見つけることができる」と判断。 「その場から動かないように」と指示し、一夜明けた14日午前5時から、警察や消防などの約40人の捜索隊とヘリ2機が女性の携帯電話の位置情報を手がかりに捜索を始め、約1時間半後に天川村役場から南に約6キロの地点にいる女性を発見・救助しました。 この3時間後には、もう一人の69歳女性も地上の捜索隊が付近の沢で見つけ救助しました。 2人とも大きなけがなどはありませんでした。 最初に助け出された61歳女性の捜索隊への説明によりますと、「遭難中に何度も携帯電話で通報しようとしたものの、つながらなかった」ということです。 「モバイルバッテリーで充電もしたが、電池残量が減り続け、疲れて歩けなくなったもう一人を残し電波が入る場所を探しに出た」とも話しました。 女性が救助されたとき、携帯電話のバッテリーは「残り20%だった」ということです。 警察関係者は「ギリギリの判断で別行動に出たことが結果的にはよかった。2人がずっと同じ場所にいたら、いつ発見できていたかわからない」と話しています。